こんにちは!
今この記事を目にされているということは、健康と食について、ある程度興味のある方、という事かと思います。
ここのところ、食に対する関心の高まりとともに、日々使用する調味料についても関心を持つ方が増えているようです。
テレビや雑誌では「○○油が体にいい!」とか「モデルも使っている○○!」などの文字が踊り、本屋さんの棚には「健康のためには○○を食べなさい!」とか「○○を食べたら寿命が!」などの本が並んでいます。
ですが、どの情報を見ても自説の正しさを述べるのみで、専門家でもない一般の人は結局何を使えばいいの?と混乱してしまうことも多いと思います。
今回はそんな悩める皆さんのために、普段ご家庭で使う調味料選びのごく簡単なコツを、ゆるオーガニックな視点からお伝えしたいと思います。
1.調味料の「さしすせそ」
色々と話し始める前に大前提として、和食で使われる調味料は何があるのか見てみましょう。
よく言われるのは上記の「さしすせそ」ですが、これは何かというと
・「さ」・・・砂糖
・「し」・・・塩
・「す」・・・お酢
・「せ」・・・せうゆ(しょうゆ)
・「そ」・・・味噌
ということになります。
実際にはこの他にもみりんなど多様な調味料を使いますが、今回はこのあたりに的を絞ってお話ししたいと思います。
2.砂糖
ちょっと前のお茶のCMで「日本人は知っている、旨いは、甘い」というようなキャッチフレーズが使われてしまったせいもあり、うまい=甘いが何となく定着してしまったようで、グルメリポートをしているタレントさんなんかも、とりあえず「あま~い!」と連呼していればオッケーみたいな風潮になってしましました。
確かに、日本人に限らず、人間は甘いものを食べると無条件に美味しいと感じます。これは脳がブドウ糖をエネルギーとしている(ケトン体もエネルギーとなりますが、ややこしくなるので今回は割愛します)からであって、ある意味当然と言えば当然です。
さて、日本で現在流通している白砂糖(グラニュー糖)ですが、これに関しては問題意識を持っている方も増えてきたようで、少し食に興味のある方であれば既に白砂糖は使わない!と言った方向に切り替え済みかと思います。
そんな砂糖ですが、簡単におさらいすると、スーパーで売っているような白砂糖は、天然の甘味料ではなく、科学的に合成された化学物質であり、工業用品だということです。
工業用品ということは原材料や製造過程で石油製品を使用しているという事であり、オーガニック的視点からでなくとも、そういったものを日常的に使用するのって体にとってどうなの?と思うのは当たり前ですね。
とはいえ、料理本や料理番組などではレシピに砂糖と書いてあることは数多くあるので、そういう場合はみりんや天然の黒糖、はちみつなどを代用として使うと良いと思います。
ちなみに、ザラメや三温糖は色がついているから何となく大丈夫そうなイメージもありますが、白砂糖に着色料で色を付けているだけの場合もあり、白くないからと言って大丈夫とはいかないのが難しいところですね。
3.塩
お次は塩です。
塩に関しては最近スーパーでも比較的良い塩が売っていることもあって、いまだに食塩やアジ○オみたいなものを使っている方は少ないとは思います。
塩にも製法、産地、岩塩か海塩かなどによって、それこそ無数に種類がありますが、基本的な考え方としては、自分が産まれたところ、または長く住んでいるところの近くでできたものを使うといいでしょう、ということです。
詳しく書くと本何冊分にもなるので割愛しますが、要は塩に含まれているミネラルの組成が問題で、海外の良いと言われる塩を使ったとしても、それを日本人が伝統的に摂取していた訳ではないため体内に消化酵素などを持っておらず、うまく代謝できずにせっかくのミネラルが使われずに全て体外へ流れ出てしまう、という事になります。
なので、選ぶポイントとしてはまずは国産、次は地元のもの、という事にしていくと、無駄なく体に良い塩が選べると思います。
4.酢
つぎはお酢です。これはまた色々と複雑なのですが、買う前にまずは容器をひっくり返して成分表示を見ましょう。
まず、知っていて欲しいのは、お酢の原材料は、お酒になるものならなんでもいい、という事です。なので、純米酢の場合は原材料は米だけでできる、ということになります。
さて、ここで先ほどの成分表示ですが、見てみると意外とお米以外にもいろいろなものが入っていることがわかると思います。
基本的に食品は加工度が上がるほど安全度は下がるので、原材料が多く入っていて、製造過程が多い方が、当然ながら安全度は低いという事になります。
原材料欄に書いてある聞いたこともない物質、これはいわゆる食品添加物という事になりますが、これは一部の人にとっては親の仇のように憎むべきものとものとなってしまっていることもあります。ただ、食品添加物が人体に与える影響というのは、あくまでもメーカーの見解ですが、まだまだ解明されていませんし、日々の生活で食品添加物を完全に避けるというのはほぼ不可能なので、ここまでならいいか、という線引きを自分でするのも大事かもしれませんね。
5.醤油
さて、醤油です。
これは、もう本当に問題が多く、今普通に手に入るものはほぼ全部偽醤油だと思っていただいて差し支えありません。あくまでも個人の感想ですが。
醤油はそもそも味噌を作るときにできる副産物で、極端なことを言うと、大豆と塩だけでできます。
さて、ここでお手元の醤油の成分表示をを見てみましょう。
大豆と塩以外のものがいくつ発見できたでしょうか。
大豆、塩、小麦ならまだましな方ですが小麦も近年色々と問題が指摘されてしますし、原材料がそれだけだったとしても、遺伝子組み換え大豆や、農薬まみれの原材料だったりすることが多いので、これはなかなか良いものを選ぶのは難しいです。
とはいえ、安心安全な醤油がこの世からなくなったわけではなく、キチンと探せばいくらでも見つかりますのでご安心を。
そして醤油は寝かせることによって熟成して味がよくなるので、可能であれば「○年熟成」のようなものを探してみるのもいいでしょう。
そうして探した本格的な醤油は本当に味わい深く、これまた美味しい豆腐に醤油をかけて食べると、それだけで大変なごちそうとなります。
6.味噌
最後は味噌です。
これまた最近のお味噌はおかしなものが多く、こちらも残念ながら「味噌もどき」と言わざるを得ないもののオンパレードです。
まずはすっかり皆さんご承知とは思いますが、原材料から見てみましょう。
先ほどの醤油の項目で味噌と醤油は原材料が同じと述べましたが、味噌も突き詰めると大豆と塩だけでできます。地方によっては「麦みそ」というものもあり、これは小麦と塩でできているものです。白くてほの甘く、とても美味しい味噌です。
また、最近は過剰な減塩志向により、味噌も減塩味噌なるものが登場しています。
味噌はもともと発酵保存食品であり、冷暗所保管で数年保管可能な食品なのですが、それを可能にしていたのは適度な塩分があればこそです。
減塩を目的として作られた味噌は、塩を減らしているため長期保存に耐えられず、それを補うために保存料を入れたりすることになり、日本古来の健康食であるはず味噌なのに本末転倒と言ってもよい状態となってしまっています。
ですが、お味噌もスーパーでもちゃんとしたものは売っていますし、ちょっと気の利いたところであれば国産有機丸大豆使用のものや、塩も食塩でなく天然塩を使用しているものもあるので、そういったものの中からお好みに合わせて選ばれると良いと思います。
7.さいごに
さて、今回の調味料選びですが皆さんの目にはどう映ったでしょうか。
最初のうちはいいものを探し出して選ぶのは本当に骨が折れますが、一度お気に入りを見つけてしまえば、あとは同じ店でそれをリピートして買えばいいだけなので、決めてしまえば実はさほど大変ではありません。
また、調味料は日々口にするものなので、それだけ体内に取り入れる機会が多いという事になります。ということは、ここを良いものに切り替えれば、体内にはおのずと不要なものは蓄積されないことになり、長い目で見たときに健康を損ねるリスクが少なくなるという事になります。
とはいえ、あまり気にしすぎて食事が楽しめなくなってしまっては何の意味のないので、まずは美味しく楽しく、をモットーにもうワンランク上の料理を目指すつもりで調味料を選んでください。
この記事が皆さんの生活の質を上げることに少しでも役立てばいいなと思います。